10年余り前、ある研究会で東京女子医大皮膚科の川島眞教授のお話を伺いました。
アトピーの患者さんは、患部を掻くことによって悪化します。
川島先生はアトピーの患者さんが来られた時、まず時間をかけて患者さんのお話をじっくりと聴かれるそうです。
すると患者さんは例外なく、「こんなに話を聴いてくれた病院は初めてだ」と涙を流し、川島先生の依頼どおりに1週間掻かないことを約束してくれるといいます。
そして1週間後、再診で来られた患者さんは、皆さんアトピーが改善していました。
その間に使用する薬は保湿剤クリーム程度です。
川島先生は、「これは私が発見したのではありません。医院を開業している小林先生が、こうした傾向があることを私に教えてくださって、実行してみたら本当でした」とおっしゃっていました。
何人もの臨床例をスライドで見せていただき、アトピーの原因の奥深さにも驚きましたが、川島先生のお人柄も素晴らしいと思いました。
Category:健康